一番しんどい時期

ある時、紹介会社として私が担当している病院の事務長が「今が一番しんどい時期だ」と話していた。その病院は研修医の臨床研修指定病院に指定されており、研修医たちからの人気も高いところだ。

加えて後期研修も残る者が多いため、さほどの心配はないと思うのだが・・・。なぜそう思うのか尋ねたところ、

「急性期病院としては、麻酔科医をもう少し増やしたんだ。」とのこと。

確かに、麻酔科医が1名退職してしまったこともあり、オペ数から鑑みても麻酔科医は明らかに人手不足だった。実際は新たに1名麻酔科医を呼び込んでも帳尻は合わない。最低2名は必要な状況であった。

これまで頼みの綱としていた大学病院にも麻酔科医がいない状況の為、この度仕方なく遠慮していた紹介会社という手段に出たというわけだ。

そこで麻酔科医をどのような条件のもとで募集するのかと伺い話を進めていると、誰もが目を疑うほどの高待遇であった。

常勤より非常勤の方が桁違いの収益になるからと、複数の病院の手術麻酔をアルバイトで掛け持ち、給与面も確保しつつ時間にもゆとりを持つ麻酔科医が増えた時期であった為、高待遇にしてでも来てほしいと思うのも納得できる。

しかし、一方でこの麻酔科医のインフレは一過性のものだとみていた医師も少なくはなかった。同時期に転職をサポートした麻酔科医の先生は「私が好む病院へ転職できるのは今だけかもしれないと思ったから、転職を決断した」と話していた。医療業界の流れをつかみ、転職のタイミングを見定めることも必要なのだなと感じた瞬間であった。

現在も麻酔科医の不足問題は続いているものの、少しずつ解消されつつあり、待遇も徐々に落ち着き始めている。

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